行政計画——都市計画と計画裁量
行政計画とは
行政が一定の目標を達成するため策定する総合的な政策的指針。法的拘束力の程度は計画により異なる。
- 拘束的計画:許認可処分等に直接法的効果(都市計画の用途地域等)
- 指導的計画:法的拘束力を持たない方針・目標
都市計画の体系
都市計画法 第1条 この法律は、都市計画の内容及びその決定手続、都市計画制限、都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。
— e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100)
都市計画の種類
| 計画 | 内容 |
|---|---|
| 区域区分(線引き) | 市街化区域・市街化調整区域の区分 |
| 用途地域 | 建築物の用途・容積率・建ぺい率等を規制 |
| 地区計画 | 地区レベルの詳細な建築規制 |
| 都市計画施設 | 道路・公園・下水道等 |
| 市街地開発事業 | 土地区画整理事業・市街地再開発事業等 |
計画裁量と司法審査
行政計画の策定には広い計画裁量が認められる。
小田急線連続立体交差事業(最大判平成17年12月7日)
都市施設の規模、配置等に関する事項を定めるに当たっては、当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で政策的・技術的な見地から判断することが不可欠であり、これらの点に関する行政庁の裁量判断は尊重されなければならない。
— 最大判平成17年12月7日・民集59巻10号2645頁
裁量権逸脱・濫用の審査
計画裁量も限界あり。
都市計画に関する行政庁の判断が裁量権の逸脱・濫用に当たるか否かは、一般的には、計画が全く事実の基礎を欠くか、又は社会通念に照らして著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限り、違法の評価を受ける。
土地区画整理事業計画の処分性(最大判平成20年9月10日)
計画段階での司法審査を早期に認める方向で判例が展開。
土地区画整理事業計画の決定は、施行地区内の宅地所有者等の法的地位に変動をもたらすものであって、抗告訴訟の対象となる処分に当たる。
— 最大判平成20年9月10日・民集62巻8号2029頁
計画段階争訟:成熟性の問題として、計画段階で争訴できるか否かは各計画の性格による。
行政計画と損失補償
都市計画制限により財産権が制約されても、社会的制約(内在的制約)の範囲内であれば補償不要。制約が特別の犠牲と評価される場合に補償が問題となる。
出典
- 都市計画法1条(e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000100)
- 最大判平成17年12月7日・民集59巻10号2645頁(小田急線)
- 最大判平成20年9月10日・民集62巻8号2029頁(土地区画整理事業計画)