物権法 ─ 物権変動・所有権・担保物権
出典法令
- 民法(明治29年法律第89号)第2編 物権
- e-Gov法令検索:https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
物権の基本原則
民法 第175条(物権の創設) 物権は、この法律その他の法律に定めるもののほか、創設することができない。
(出典:民法 明治29年法律第89号 第175条)
| 原則 | 内容 |
|---|---|
| 物権法定主義(175条) | 法律に定めるもの以外の物権は創設不可 |
| 一物一権主義 | 一つの物に同一内容の物権は一つのみ |
| 優先的効力 | 物権は同一物上の債権に優先 |
物権変動と対抗要件
民法 第176条(物権の設定及び移転) 物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる。
民法 第177条(不動産に関する物権の変動の対抗要件) 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(略)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
民法 第178条(動産に関する物権の譲渡の対抗要件) 動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、第三者に対抗することができない。
(出典:民法 明治29年法律第89号 第176条・第177条・第178条)
| 対象 | 対抗要件 | 条文 |
|---|---|---|
| 不動産 | 登記 | 177条 |
| 動産 | 引渡し | 178条 |
取得時効(162条)
民法 第162条 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。
(出典:民法 明治29年法律第89号 第162条)
| 種類 | 期間 |
|---|---|
| 悪意または有過失 | 20年 |
| 善意無過失 | 10年 |
共有(249〜264条)
民法 第252条 共有物の管理に関する事項(次条第一項に規定する共有物の管理者の選任及び解任を含み、共有物に変更を加えるものを除く。)は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。(略)
(出典:民法 明治29年法律第89号 第252条)
| 行為 | 要件 |
|---|---|
| 保存行為 | 各共有者が単独でできる(252条5項) |
| 管理行為 | 持分の過半数で決定(252条1項) |
| 変更行為 | 共有者全員の同意(251条) |
担保物権
留置権(295条)
民法 第295条第1項 他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。(略)
(出典:民法 明治29年法律第89号 第295条)
留置権は優先弁済権なし(留置のみ)。法定担保物権。
抵当権(369条)
民法 第369条第1項 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
(出典:民法 明治29年法律第89号 第369条)
| 性質 | 内容 |
|---|---|
| 非占有型担保 | 債務者が目的物を引き続き使用可 |
| 対抗要件 | 登記 |
| 付従性 | 被担保債権が消滅すると消滅 |
| 随伴性 | 被担保債権の譲渡とともに移転 |
| 不可分性 | 全額弁済まで目的物全部に効力 |
根抵当権(398条の2)
民法 第398条の2第1項 抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。
(出典:民法 明治29年法律第89号 第398条の2)
付従性なし(元本確定前は債権消滅しても根抵当権は消滅しない)。
参照法令
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 民法 162条 | 取得時効(20年・10年) |
| 民法 175条 | 物権法定主義 |
| 民法 176条 | 意思主義(意思表示のみで物権変動) |
| 民法 177条 | 不動産の対抗要件(登記) |
| 民法 178条 | 動産の対抗要件(引渡し) |
| 民法 251条 | 共有物の変更(全員同意) |
| 民法 252条 | 共有物の管理(持分過半数) |
| 民法 295条 | 留置権 |
| 民法 369条 | 抵当権 |
| 民法 398条の2 | 根抵当権 |