契約各論——売買・賃貸借・請負・委任
売買(民法555条)
民法 第555条 売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
— e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)
契約不適合責任(民法562条以下)
令和2年改正で「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」へ改称。買主の救済手段が整理された。
民法 第562条第1項 引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。
買主の救済手段:追完請求 → 代金減額請求(563条)→ 損害賠償・解除(564条)
賃貸借(民法601条)
民法 第601条 賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。
賃借人の原状回復義務(民法621条)
賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。)を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
経年劣化・通常損耗は賃借人負担にならない。
請負(民法632条)
民法 第632条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
- 仕事の完成が本質的義務(委任との違い)
- 注文者は完成前なら損害賠償して解除可(641条)
請負の契約不適合責任(民法636条)
請負人が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡したとき……は、注文者は、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。
委任(民法643条)
民法 第643条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
- 善管注意義務(民法644条):受任者は委任の本旨に従い善良な管理者の注意をもって処理
- 報告義務(645条)・受取物引渡義務(646条)
- 各当事者はいつでも解除可(651条)
比較表
| 契約 | 目的 | 仕事完成義務 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 売買 | 財産権移転 | — | 代金との対価関係 |
| 賃貸借 | 使用収益 | — | 継続的契約 |
| 請負 | 仕事完成 | あり | 結果債務 |
| 委任 | 事務処理 | なし | 手段債務・善管注意 |
出典
- 民法555条・562条・601条・621条・632条・636条・643条(e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)