担保物権——抵当権・質権・留置権
担保物権の種類
| 種類 | 法定/約定 | 占有移転 | 目的物 |
|---|---|---|---|
| 留置権 | 法定 | あり | 動産・不動産 |
| 先取特権 | 法定 | なし | 動産・不動産等 |
| 質権 | 約定 | あり(原則) | 動産・不動産・権利 |
| 抵当権 | 約定 | なし | 不動産・地上権等 |
抵当権(民法369条)
民法 第369条第1項 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
— e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)
抵当権の効力が及ぶ範囲(民法370条)
抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産に付加して一体となっている物に及ぶ。
付加一体物(建物に対する抵当権→建物附属設備など)には及ぶが、従物については判例で原則として抵当権の効力が及ぶとされる(最判昭和44年3月28日)。
法定地上権(民法388条)
土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。
成立要件:
- 抵当権設定当時、土地上に建物が存在
- 設定当時、土地・建物が同一所有者
- 競売により所有者が異なる
質権(民法342条)
質権者は、その債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、かつ、その物について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
- 占有移転が質権の本質(設定者に物を占有させることは原則不可・民法345条)
- 不動産質権は10年を超える存続期間を定めることができない(360条)
留置権(民法295条)
他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するとき……その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。
牽連性(物に関して生じた債権)が要件。留置権は売ることはできず、あくまで留置(占有継続)による心理的圧力で弁済を促す。
根抵当権(民法398条の2)
一定の範囲内の不特定多数の債権を極度額まで担保。
民法 第398条の2第1項 抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。
出典
- 民法295条・342条・360条・369条・370条・388条・398条の2(e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)
- 最判昭和44年3月28日(従物と抵当権)