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記事/民法

時効——取得時効と消滅時効

時効制度の趣旨

長期間継続した事実状態を法律上の権利関係として確定し、社会の法律関係の安定・証明困難の救済・権利の上に眠る者は保護しないという政策的考慮に基づく。

取得時効(民法162条・163条)

民法 第162条 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。

2 十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。ただし、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときに限る。

— e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)

要件 20年 10年(短期)
占有期間 20年 10年
占有開始時の主観 不問 善意・無過失
所有の意思
平穏・公然

所有権以外の財産権にも準用(163条)。

消滅時効(民法166条)

令和2年改正で時効期間が整理された。

民法 第166条第1項 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。 二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

  • 主観的起算点(知った時から5年)
  • 客観的起算点(権利行使可能時から10年)
  • いずれか早い方で消滅

時効の完成猶予と更新(民法147条以下)

主な完成猶予事由

事由 条文 効果
裁判上の請求等 147条 確定まで猶予、確定で更新
強制執行等 148条 終了まで猶予、終了で更新
仮差押え・仮処分 149条 終了から6か月猶予
催告 150条 6か月猶予
協議合意 151条 合意から1年以内猶予

承認による更新(民法152条)

時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。

時効の援用(民法145条)

時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。

時効は援用なしに裁判所が職権で適用することはできない(援用が必要)。

出典

この記事に関連する問題

★★★不法行為による損害賠償請求権の消滅時効として正しいものはどれか。★★★消滅時効の「更新」事由として正しいものはどれか。★★★2020年4月1日施行の改正民法により、債権の一般的な消滅時効期間は、権利を行使することができることを知った時から5年、権利を行使することが…★★★時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺適状にあった場合には、その債権者は相殺をすることができる。
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