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記事/民法

意思表示の瑕疵——錯誤・詐欺・強迫

意思表示の構造

有効な意思表示には①内心的効果意思→②表示意思→③表示行為の一致が必要。これが欠ける場合が意思の不存在・意思表示の瑕疵。

錯誤(民法95条)

民法 第95条第1項 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。 一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤 二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤

— e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)

令和2年改正で「無効」から「取消し」へ変更。

動機の錯誤(95条2項)

前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。

動機が相手方に表示され、法律行為の基礎とされていた場合のみ取消し可。

錯誤と第三者(95条4項)

第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

詐欺(民法96条)

民法 第96条第1項 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。

第96条第2項 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。

第96条第3項 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

詐欺の要件

  1. 詐欺行為(故意による欺罔)
  2. 表意者の錯誤
  3. 錯誤に基づく意思表示
  4. 詐欺者の二重の故意

強迫(民法96条1項)

強迫による取消しは善意の第三者にも対抗可能(96条3項が適用されない)。

詐欺・強迫との第三者保護の違い

瑕疵 第三者保護
錯誤 善意・無過失の第三者に対抗不可(95条4項)
詐欺 善意・無過失の第三者に対抗不可(96条3項)
強迫 善意の第三者にも対抗可能(規定なし)

強迫の被害者保護を重視するため、第三者保護が最も弱い。

心裡留保・虚偽表示との比較

種類 条文 効果 第三者
心裡留保 93条 原則有効 善意者保護
虚偽表示 94条 無効 善意者保護
錯誤 95条 取消し 善意・無過失者保護
詐欺 96条 取消し 善意・無過失者保護
強迫 96条 取消し 第三者保護なし

出典

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★★★錯誤による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
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