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記事/民法

相続の承認と放棄——単純承認・限定承認・相続放棄

相続の開始と熟慮期間

相続は被相続人の死亡によって開始(民法882条)。相続人は相続開始を知ったときから3か月以内(熟慮期間・915条)に承認・放棄を選択しなければならない。

民法 第915条第1項 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。

— e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)

単純承認(民法920条)

相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。

プラスの財産もマイナスの財産(負債)も無制限に承継。熟慮期間中に何もしなければ単純承認とみなされる(法定単純承認・921条)。

法定単純承認(民法921条)

次の場合は当然に単純承認したものとみなされる。

  1. 相続財産の全部または一部を処分したとき
  2. 熟慮期間内に限定承認・放棄をしなかったとき
  3. 限定承認・放棄後に相続財産を隠匿・消費・不実記載したとき

限定承認(民法922条)

相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。

  • 相続人全員が共同して行う必要あり(923条)
  • 家庭裁判所への申述が必要

メリット:プラス財産の範囲でしか負債を承継しない。プラスが多ければ利益を得られる。

相続放棄(民法939条)

相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

  • 単独でできる(全員共同不要)
  • 家庭裁判所への申述が必要(938条)
  • 撤回不可(919条1項)

相続放棄後の管理義務(民法940条)

相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第九百五十二条第一項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。

相続放棄と第三者

相続放棄は遡及効を持つが(939条)、放棄前に相続人が処分した場合など第三者との関係は複雑。放棄後の財産について第三者が占有を開始した場合の扱いは判例で処理。

相続人不存在の場合

相続人がいない(または全員放棄)場合、家庭裁判所は相続財産清算人を選任(952条)。債権者への支払い後、残余は国庫帰属(959条)。

出典

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