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記事/憲法

憲法 人権総論 ─ 基本的人権・限界・私人間効力

出典法令


基本的人権の保障(11条・97条)

日本国憲法 第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

日本国憲法 第97条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

(出典:日本国憲法 第11条・第97条)


幸福追求権・個人の尊重(13条)

日本国憲法 第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

(出典:日本国憲法 第13条)

13条 = 包括的人権規定。プライバシー権・自己決定権等の憲法上の根拠


法の下の平等(14条)

日本国憲法 第14条第1項 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

(出典:日本国憲法 第14条)

通説・判例は相対的平等説を採用。合理的な区別はOK、不合理な差別がNG。


思想・良心の自由(19条)

日本国憲法 第19条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない

(出典:日本国憲法 第19条)

  • 絶対的保障(内心の自由)
  • 外部に表れない限り制約不可
  • 沈黙の自由も含む

信教の自由・政教分離(20条)

日本国憲法 第20条第1項・第3項 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

日本国憲法 第89条(前段) 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、これを支出し、又はその利用に供してはならない

(出典:日本国憲法 第20条・第89条)

津地鎮祭事件(最大判昭和52年7月13日) 「国家と宗教との完全な分離を実現することは、実際上不可能に近く…宗教とのかかわり合いが、わが国の社会的・文化的諸条件に照らし、信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えるものと認められる場合に、これを許さないとするもの」

(出典:最大判昭和52年7月13日 民集31巻4号533頁)

目的効果基準を確立。「相当とされる限度を超えるもの」のみ違反。


表現の自由・検閲の禁止(21条)

日本国憲法 第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

(出典:日本国憲法 第21条)

税関検査事件(最大判昭和59年12月12日) 「検閲とは、行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止することを、その特質として備えるものを指す」

(出典:最大判昭和59年12月12日 民集38巻12号1308頁)

検閲 = 絶対的禁止(例外なし)。


人権の限界と私人間効力

公共の福祉(12条・13条)

日本国憲法 第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

(出典:日本国憲法 第12条)

私人間効力(間接適用説)

三菱樹脂事件(最大判昭和48年12月12日) 「私人間の関係においては、各人の有する自由と平等の権利自体を直接規律することを目的とする法規がなく、ただ、私的自治の原則・契約自由の原則が支配し、これらの行為の効力は、民法一条、九〇条や不法行為に関する諸規定等の適切な運用によって、調整されるべきものである。」

(出典:最大判昭和48年12月12日 民集27巻11号1536頁)

通説・判例:間接適用説。民法90条(公序良俗)等の一般条項を通じて憲法の価値を私人間に及ぼす。


参照法令・判例

条文・判例 内容
憲法 11条 基本的人権の永久不可侵
憲法 12条 自由・権利の保持義務・濫用禁止
憲法 13条 個人の尊重・幸福追求権
憲法 14条 法の下の平等
憲法 19条 思想・良心の自由(絶対的保障)
憲法 20条 信教の自由・政教分離
憲法 21条 表現の自由・検閲の絶対的禁止
憲法 89条 宗教団体への公金支出禁止
最大判昭和52年7月13日 津地鎮祭事件(目的効果基準)
最大判昭和59年12月12日 税関検査事件(検閲の定義)
最大判昭和48年12月12日 三菱樹脂事件(間接適用説)
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