過去問クエスト行政法(過去問)★★★☆☆2023年度
国家賠償法1条に関する次の記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
選択肢
- 国家賠償法1条の「公権力の行使」には権力的行為のみが含まれ、非権力的行為(私経済作用)は含まれない。
- 国または公共団体が国家賠償法1条に基づく責任を負う場合、当該公務員個人も被害者に対して不法行為責任を負う。
- ✓規制権限の不行使(規制の懈怠)は、判例上、国家賠償法1条の「違法」と評価されることがある。
- 国家賠償法1条の賠償責任が認められるためには、当該公務員を具体的に特定できることが必要である。
- 国又は公共団体が国家賠償責任を負う場合、当該公務員に故意又は過失がなくても責任が認められる(無過失責任)。
解説
判例(宅建業者規制懈怠事件・最判平成元年11月24日等)は、規制権限の不行使(行政庁が規制を発動すべき状況でありながら発動しなかった場合)が国賠法1条の違法と評価される場合があることを認めている。aは誤り(「公権力の行使」には非権力的行為も含まれうる)。bは誤り(公務員個人は責任を負わない・最判昭和30年4月19日)。dは誤り(公務員を特定できなくてもよい)。
ポイント
国賠法1条:公務員個人は免責。規制懈怠も違法になりうる。「公権力の行使」は広く解釈(学校の課外活動・公立病院等も含む)。
ひっかけポイント
公務員個人も国賠法1条で責任を負うと誤解しやすい。国賠法1条は国・公共団体のみが責任を負い、公務員個人は免責される(対外的)。
Source
- [判例] 最判昭和30年4月19日 公務員個人責任否定事件 (1955-04-19)
最高裁判所 · 2026-06-15
更新日: 2026-06-15 · 法令基準日: 2026-04-01