過去問クエスト行政法(過去問)★★★☆☆2020年度
授益的行政行為(受益処分)の職権取消しに関する次の記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
選択肢
- 違法な授益処分は常に職権で取り消すことができ、相手方の信頼は一切保護されない。
- 違法な授益処分を相手方が詐欺等の不正行為で取得した場合でも、信頼保護の原則により取消しは制限される。
- ✓違法な授益処分の職権取消しは、取消しによる公益と相手方の信頼利益を比較衡量して判断され、場合によっては取消しが制限されることがある。
- 違法な授益処分の職権取消しは、処分の成立から一定期間経過すると完全に禁止される。
- 違法な授益処分が相手方の重大な不正行為によって取得されたものである場合でも、信頼保護の見地から取消しは制限される。
解説
違法な授益処分の職権取消しについて、判例・学説は取消しによる公益(違法状態の是正)と相手方の信頼保護の必要性を比較衡量するアプローチをとる(最判昭和43年11月7日等)。aは誤り(信頼保護が問題となる)。bは誤り(不正取得の場合は信頼保護されない)。dは誤り(一定期間経過で完全禁止という規定はない)。
ポイント
違法な授益処分の職権取消し:公益(違法是正)と信頼保護の比較衡量。不正取得の場合は信頼保護なし。
ひっかけポイント
違法な処分は常に取り消せると誤解しやすい。授益処分は相手方の信頼保護との衡量が必要。
Source
- [判例] 最判昭和43年11月7日 職権取消し利益衡量事件 (1968-11-07)
最高裁判所 · 2026-06-15
更新日: 2026-06-15 · 法令基準日: 2026-04-01