過去問クエスト憲法(過去問)★★★☆☆2020年度
憲法25条の生存権に関する次の記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
選択肢
- 生存権は抽象的権利であり、法律の制定がなければ裁判上主張できず、立法不作為は常に違憲とならない。
- 朝日訴訟において最高裁は、生活保護法の基準が憲法25条に違反するかどうかについて、厚生大臣(当時)の裁量を認めつつ、その判断が著しく合理性を欠く場合には違法となりうると判示した。
- ✓堀木訴訟(障害福祉年金と児童扶養手当の併給禁止)において最高裁は、社会保障給付の在り方は立法府の広い裁量に委ねられており、著しく合理性を欠く場合に限り25条違反となるとした。
- 生存権は外国人には一切保障されず、社会保障の受益について外国人を差別することは常に合憲である。
- 憲法25条の生存権は具体的権利であり、立法を待たずに国に対し具体的な給付を直接請求できるとするのが最高裁判例の確立した立場である。
解説
最大判昭和57年7月7日(堀木訴訟)は、社会保障給付の具体的内容を定める立法府の広い裁量を認め、「著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱・濫用と見ざるをえないような場合」に限り違憲となると判示した。aは誤り(不作為が違憲となる場合もある)。bは誤り(朝日訴訟は原告の死亡で訴訟終了し、実質判断なし)。dは誤り(外国人にも一定の社会保障は認められる)。
ポイント
堀木訴訟:社会保障立法→立法府の広い裁量。著しく合理性欠く場合のみ25条違反。生存権は抽象的権利(プログラム規定説が通説)。
ひっかけポイント
堀木訴訟と朝日訴訟を混同しやすい。朝日訴訟は原告死亡で実質判断なし。堀木訴訟で「広い裁量・著しく不合理な場合のみ違憲」が確立。
Source
- [判例] 最大判昭和57年7月7日(堀木訴訟)
最高裁判所 · 2026-06-15 · リンク
更新日: 2026-06-15 · 法令基準日: 2026-04-01