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過去問クエスト行政法(過去問)★★★★2023年度

公営住宅法は、国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を建設し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸することにより、国民生活の安定と[ア]の増進に寄与することを目的とするものであって(1条)、この法律によって建設された公営住宅の使用関係については、管理に関する規定を設け、家賃の決定、明渡等について規定し(第3章)、また、法の委任(25条)に基づいて制定された条例(東京都営住宅条例)も、使用許可、使用申込、明渡等について具体的な定めをしているところである。右法及び条例の規定によれば、公営住宅の使用関係には、[イ]の利用関係として公法的な一面があることは否定しえないところであって、入居者の募集は公募の方法によるべきこと(法16条)などが定められており、また、特定の者が公営住宅に入居するためには、事業主体の長から使用許可を受けなければならない旨定められているのであるが(条例3条)、他方、入居者が右使用許可を受けて事業主体と入居者との間に公営住宅の使用関係が設定されたのちにおいては、前示のような法及び条例による規制はあっても、事業主体と入居者との間の法律関係は、基本的には私人間の家屋[ウ]と異なるところはなく、このことは、法が賃貸(1条、2条)等私法上の[ウ]に通常用いられる用語を使用して公営住宅の使用関係を律していることからも明らかであるといわなければならない。したがって、公営住宅の使用関係については、公営住宅法及びこれに基づく条例が特別法として民法及び借家法に優先して適用されるが、法及び条例に特別の定めがない限り、原則として一般法である民法及び借家法の適用があり、その契約関係を規律するについては、[エ]の法理の適用があるものと解すべきである。

選択肢

  • 社会福祉
  • 公の営造物
  • 賃貸借関係
  • 信頼関係

解説

公営住宅法は低額所得者への住宅供与により国民生活の安定と「社会福祉」の増進を目的とする(1条)。公営住宅は「公の営造物」の利用関係として入居者募集や使用許可など公法的規律を受けるが、使用許可後の事業主体・入居者間の関係は私人間の家屋「賃貸借関係」と本質的に異ならず、民法・借家法(一般法)が適用される。明渡請求にあたっては賃貸借関係を基礎づける「信頼関係」破壊の法理が適用される(信頼関係破壊理論)。

ポイント

公営住宅の利用関係=公法的性格(公の営造物の利用関係)+私法的性格(賃貸借)の二面性。明渡請求の限界は信頼関係破壊理論で説明される、という判例の枠組みを押さえる。

ひっかけポイント

「特別権力関係」(7)を選びがちだが、判例は公営住宅の使用関係を特別権力関係とは構成していない。あくまで賃貸借関係を基礎とした私法関係として捉える点に注意。

Source

  • [試験] 令和5年度行政書士試験 問題42
    一般財団法人行政書士試験研究センター · 2026-06-18 · リンク
  • [判例] 最一小判昭和59年12月13日(公営住宅明渡請求事件) (1984-12-13)
    最高裁判所 · 2026-06-18

更新日: 2026-06-18 · 法令基準日: 2026-04-01