参政権——選挙権・被選挙権と一票の平等
選挙権(憲法15条)
日本国憲法 第15条第1項 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
第15条第3項 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
— e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION)
選挙権の性質について、権利説(個人の主観的権利)と公務説(公的義務)の対立があるが、現在は権利説が通説。
普通選挙・平等選挙・直接選挙・秘密選挙
| 原則 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 普通選挙 | 財力・性別等による制限なし | 15条3項 |
| 平等選挙 | 一人一票・票の価値の平等 | 14条・44条ただし書 |
| 直接選挙 | 選挙人が直接代表者を選ぶ | 憲法の趣旨 |
| 秘密選挙 | 投票の秘密保護 | 15条4項 |
一票の格差問題
投票価値の平等(一票の価値の平等)は憲法14条・44条が要請。衆議院・参議院の議員定数不均衡が繰り返し争われている。
最大判昭和51年4月14日(衆議院議員定数訴訟)
選挙人の投票価値の平等もまた、憲法の要求するところと解するのが相当である。投票価値の不平等が、国会において通常考慮しうる諸般の要素をしんしゃくしてもなお、一般的に合理性を有するとは到底考えられない程度に達しているときは、憲法違反となる。
— 最大判昭和51年4月14日・民集30巻3号223頁
この事件では最大格差1対4.99を違憲と判断したが、事情判決の法理により選挙自体は有効とした。
近年の動向
最高裁は2009年(衆院)・2010年(参院)の選挙について違憲状態と判断。「一人別枠方式」を廃止する公職選挙法改正が行われた。
被選挙権
憲法に明文はないが、15条から当然に導かれる権利。公職選挙法で年齢要件等が定められている(衆議院議員25歳以上、参議院議員30歳以上)。
在外日本人の選挙権(最大判平成17年9月14日)
国が正当な理由なく在外国民が選挙権を行使することができない状態に置いてきたことは、その時点において、国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものというべきである。
— 最大判平成17年9月14日・民集59巻7号2087頁
この判決を受けて在外選挙制度が比例代表選挙だけでなく選挙区にも拡大された。
出典
- 日本国憲法15条・44条(e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION)
- 最大判昭和51年4月14日・民集30巻3号223頁(衆議院議員定数訴訟)
- 最大判平成17年9月14日・民集59巻7号2087頁(在外国民選挙権訴訟)