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記事/行政法

原告適格——誰が取消訴訟を起こせるか

原告適格の意義

取消訴訟を提起できるのは「法律上の利益を有する者」に限られる(行政事件訴訟法9条1項)。この「法律上の利益」の解釈が原告適格の核心。

行政事件訴訟法 第9条第1項 処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなった後においてもなお処分又は裁決の取消しによって回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。

— e-Gov 法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000139)

判断基準——新潟空港訴訟

当該処分を定めた行政法規が、不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず、それが帰属する個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には、かかる利益も法律上保護された利益に当たる。

— 最判平成元年2月17日(民集43巻2号56頁)・新潟空港訴訟

平成16年改正——考慮事項の明文化

行訴法9条2項が新設され、原告適格の判断に際して考慮すべき事項が明文化。

行政事件訴訟法 第9条第2項 裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たっては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。

重要判例

もんじゅ訴訟(最判平成4年9月22日)

原子炉設置許可処分について、周辺住民の原告適格を認めた。

原子炉の設置許可の取消訴訟において、原子炉施設の周辺に居住する者は、当該許可処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に当たる。

小田急線連続立体交差事業認可訴訟(最大判平成17年12月7日)

鉄道事業の認可に際して、騒音・振動被害を受ける沿線住民の原告適格を認めた。

都市計画法及び建設省都市局長通達の趣旨・目的を考慮すると、著しい騒音・振動被害を受ける沿線住民には原告適格が認められる。

— 最大判平成17年12月7日(民集59巻10号2645頁)

法律上の利益 vs 事実上の利益

区分 内容 原告適格
法律上保護された利益 根拠法令が個人の利益として保護 あり
反射的利益 公益保護の結果として得られる利益 なし
事実上の利益 経済的・感情的利益にすぎないもの なし

出典

  • 行政事件訴訟法9条(e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000139)
  • 最判平成元年2月17日・民集43巻2号56頁(新潟空港訴訟)
  • 最大判平成17年12月7日・民集59巻10号2645頁(小田急線事件)

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